なぜ重いものを持っていないのに腰が痛むのか?
慢性的な腰痛で困り当院に来院される患者さんも「特に負担をかけた覚えは無いんだけど・・・」というようなことをおっしゃる方が多いです。
ではなぜ腰痛が発生するのか?
これについては様々な原因がありますが、今回は「座っている時間が長い」ということについて説明していきます。
その代表格になるのが長時間のデスクワークです。
一昔前のオフィスワークと言えば、ファックスを送ったり、上司に書類を揃えたり、郵便を出しに外出したりと立って歩く仕事が色々とあっていました。
ところが近年のオフィスワークは1日中パソコンの前に座ったままになってしまいました。大抵のことがパソコンだけで出来るようになったからです。
ではなぜ座ったままがいけないのか考えてみましょう。
座っている方が立てるより楽、腰への負担が少ないと思っていませんか?
ところがこれが逆なのです。
背骨にかかっている圧力は正しい姿勢で立ってる時を1とすると椅子に座ってる時はその1.5倍も力が加わっているそうです。
これは意外ではないでしょうか?
立っていれば脚や膝など体全体で圧力を分散吸収しますが、座っているとすべての重さが背骨から腰にかかり逃げ場が全くないのです。
しかも、1.5倍と言うのは、正しい姿勢で座っている状態です。
背骨のS字カーブが乱れた悪い座り方ですとその圧力は1.85倍とさらに負荷が大きくなると言われています。
正しい座り姿勢とはどんな姿勢でしょうか?
それは簡単で視線ががまっすぐ前を向いている状態です。
ところがパソコンを操作しているときはどうでしょうか?
画面の位置が比較的高いところにあるデスクトップならまだしも、キーボード画面が一体化しているノートパソコンの場合はどうしても手元を見下ろす形になります。
そうすると首が前に出てカーブが乱れてしまいます。
キーボードを打つために出した両肩は背中を丸めます。こうした悪い座り姿勢は、背骨にとって、とりわけ腰にとても負荷の大きい状態になってしまいます。
1日中モニターを見ていれば、画面をよく見ようとして不自然な姿勢をとることが多くなり、それが肩こりなどを引き起こす原因にもなるのです。
オフィスで仕事をする人がかかりやすい腰痛パターンは「デスクワーク腰痛」と呼ばれています。
こんな名前で着くこと自体で、いかにデスクワークでの腰痛患者が多いかがわかりますよね!
座り姿勢と同様に気をつけたいのは意外にも歩く姿勢です。
普通の平らな道を歩いた時に膝にはなんと体重の3~8倍の重さがかかっていると言われています。
正しい姿勢だから3倍程度で済んでいますが、悪い姿勢で歩くとこれが8倍にもなってしまうのです。
つまり、体重が60キロの人ならば480キロもの重さがかかることになります。
今回はデスクワーク中心に見てきましたが慢性的な痛みの共通点は、普段の生活での姿勢になります。
やはり姿勢は慢性痛の1番の原因です。年齢を重ねれば重ねるほど矯正は難しくなっていきます。
今の辛さを放置するのではなく、1日でも早く楽な動きやすい体を手に入れてみてはいかがでしょうか?
質問などありましたらお気軽にお問い合わせください。